東の彦 外伝
桃太郎 1
昔々ある所におじいさんとおばあさんが住んでおりました
おじいさんは山へしばかりに、おばあさんは川へ洗濯へでかけると
川の上流から大変大きな桃の実が流れてきました
おばあさんは、それを拾い上げると早速家へと持ち帰り、おじいさんと桃を割ってみることに、
するとどうゆうことでしょう桃の中から 人間の形をした男の子がでてたではありませんか
子のいない夫婦はその子を神から授かったとして我が子のように大事に大事に育てることといたしました。
村はじきにされても桃から生まれた子を神の子と信じて疑わずを山の片隅でひっそりと幸せに暮らす三人でありました。
桃太郎はある日いつものように おばあさんの手伝いで川へ洗濯に出かけると村の子供達が川辺で遊んでいる所に出くわしました。
子供達は桃太郎を見るや面白おかしそうに石を投げつけてきました。
額に当たった石が桃太郎に血をつけ転がって行くのを桃太郎はただ静かに見つめていました。
子供達は当たった当たったと嬉しそうにこう云います。
「やーい、桃から生まれた化け物 お前のおっとうとおっかあは いい年こいて おさかんで赤子なんぞ産んどいて 神の名を使ってそれを隠そうなんて罰当たりな夫婦だと村の誰もが言ってるぞ」
「いんらんな夫婦じゃ」
「いんらんな夫婦じゃ」
子供達が合唱します。
赤くなった石を見ても何も感じなかった桃太郎の黒いつややかな髪がうねり漆黒の瞳が赤く揺らいだのはその時でした。
自分の衣が裂け 拳が血に混じるまで子供達を殴りつける鬼がそこにいました。
我に返った桃太郎は ぼうとしたまま家路にに着くと おじいさんとおばあさんが桃太郎の格好に驚きます。
心配そうに桃太郎を介抱する二人でしたが 原因を深く追及する二人ではありませんでした。
一部屋あるばかりの小さな家で三人寄り添って寝床につき 煌々と月明かりが部屋の片隅みまで差し込んだ時間、おばあさんにおちるカゲがひとつ。
隣りで寝付けないでいた桃太郎がおばあさんにまたがり、おばあさんの首へと手を伸ばします。
じょじょに手に力を込めながら、息を大きくつが おばあさんの頬に桃太郎の涙が落ちる度、声の震えが止まらず、ますます涙が頬を濡らしました。
すると、おばあさんはゆっくりと薄眼を開け 声を絞りました。
「いつも辛い思いをしているんだろう、。……いいんだよ。儂を母と呼ばなくても ……………………お前に…神の子に殺されるなら、本望じゃ……」
その言葉を聞いたとたん、桃太郎は家を飛び出し月明かりに晒されながら、大声で叫びました。
桃太郎は平成の部屋でベッドから飛び起きる。
平成の寝巻をびっしょりと汗で濡らし あの頃と変わらない涙で頬を濡らし オオゴエデサケブ。
「汚い言葉を聞かせたくなかった 汚い言葉を聞かせたくなかった」
昨夜から隣の部屋で金太郎が寝ていることも忘れ ナキサケブ。
「本当は大きな声で 父と母と呼びたかった」
小鳥のさえずりさえ耳に届かない曇天の4時8分前の朝。
おじいさんは山へしばかりに、おばあさんは川へ洗濯へでかけると
川の上流から大変大きな桃の実が流れてきました
おばあさんは、それを拾い上げると早速家へと持ち帰り、おじいさんと桃を割ってみることに、
するとどうゆうことでしょう桃の中から 人間の形をした男の子がでてたではありませんか
子のいない夫婦はその子を神から授かったとして我が子のように大事に大事に育てることといたしました。
村はじきにされても桃から生まれた子を神の子と信じて疑わずを山の片隅でひっそりと幸せに暮らす三人でありました。
桃太郎はある日いつものように おばあさんの手伝いで川へ洗濯に出かけると村の子供達が川辺で遊んでいる所に出くわしました。
子供達は桃太郎を見るや面白おかしそうに石を投げつけてきました。
額に当たった石が桃太郎に血をつけ転がって行くのを桃太郎はただ静かに見つめていました。
子供達は当たった当たったと嬉しそうにこう云います。
「やーい、桃から生まれた化け物 お前のおっとうとおっかあは いい年こいて おさかんで赤子なんぞ産んどいて 神の名を使ってそれを隠そうなんて罰当たりな夫婦だと村の誰もが言ってるぞ」
「いんらんな夫婦じゃ」
「いんらんな夫婦じゃ」
子供達が合唱します。
赤くなった石を見ても何も感じなかった桃太郎の黒いつややかな髪がうねり漆黒の瞳が赤く揺らいだのはその時でした。
自分の衣が裂け 拳が血に混じるまで子供達を殴りつける鬼がそこにいました。
我に返った桃太郎は ぼうとしたまま家路にに着くと おじいさんとおばあさんが桃太郎の格好に驚きます。
心配そうに桃太郎を介抱する二人でしたが 原因を深く追及する二人ではありませんでした。
一部屋あるばかりの小さな家で三人寄り添って寝床につき 煌々と月明かりが部屋の片隅みまで差し込んだ時間、おばあさんにおちるカゲがひとつ。
隣りで寝付けないでいた桃太郎がおばあさんにまたがり、おばあさんの首へと手を伸ばします。
じょじょに手に力を込めながら、息を大きくつが おばあさんの頬に桃太郎の涙が落ちる度、声の震えが止まらず、ますます涙が頬を濡らしました。
すると、おばあさんはゆっくりと薄眼を開け 声を絞りました。
「いつも辛い思いをしているんだろう、。……いいんだよ。儂を母と呼ばなくても ……………………お前に…神の子に殺されるなら、本望じゃ……」
その言葉を聞いたとたん、桃太郎は家を飛び出し月明かりに晒されながら、大声で叫びました。
桃太郎は平成の部屋でベッドから飛び起きる。
平成の寝巻をびっしょりと汗で濡らし あの頃と変わらない涙で頬を濡らし オオゴエデサケブ。
「汚い言葉を聞かせたくなかった 汚い言葉を聞かせたくなかった」
昨夜から隣の部屋で金太郎が寝ていることも忘れ ナキサケブ。
「本当は大きな声で 父と母と呼びたかった」
小鳥のさえずりさえ耳に届かない曇天の4時8分前の朝。