愛 〜eternity〜
第二章
⌘ 片想い ⌘
『陸徒頑張って~♪』
中学校生活にも慣れてきた頃、体育の授業で女子達の黄色い声が飛び交う。
「陸徒って本当カッコイイよね♪」
「うん♪」
そんな女子達の会話を横で聞きながら、瑛奈は複雑な気持ちでいた。
===
「瑛奈~!海渡が今日用事あるから一緒に帰れないってさ!」
「そっかぁ…。じゃあ、しょうがないから陸徒一緒に帰ろうか♪」
授業の終わりを告げるチャイム共に、体育館を出ていこうとした瑛奈に、陸徒は駆け寄り声を掛けた。
「しょうがないって何だよ?!
俺ってモテるから瑛奈なんかと帰らなくても、一緒に帰る女子位いるし♪
…あっでも、どうしても寂しいってなら一緒に帰ってやってもいいよ?」
「…バカ。…やっぱり友達と一緒に帰るからいいや。」
「スネるなよ(笑)」
陸徒の言った冗談に、瑛奈は眉をしかめるとそのまま体育館を後にした。