夏とラムネと入道雲
小さな橋を渡って駄菓子屋が見えてきた時、一人の男の子が駄菓子屋の前で携帯をかざしている姿が視界に入る。
ん?写真とってる?
ていうかそんなところで携帯をかざされたら前を通れないじゃん!
少しイライラしながら口を開くあたし。
「あの!前、通っていいですか?」
「あ、すみません。どうぞ。」
あたしの存在にも気付かないで夢中になって空の写真を撮っていた男の子は…
あたしと同じ歳くらい?一般的にかっこいい部類に入る…。
クーラーじゃなくて扇風機のついた駄菓子屋に入ってラムネを手に取る。
「おばちゃん!百円置いておくね!」
「はーい。ありがとう。」
顔馴染みの駄菓子屋のおばちゃん。思わずラムネなんか買っちゃったけどあたし、これ開けるの苦手。
左手で瓶を握って恐る恐る開けようとした瞬間…
「開けようか?」
「へ?」