夏とラムネと入道雲
「遠距離なんだぁ。夏休みなのに会えないの?」
「うん…俺が部活で忙しいし。今日は休みなんだけどね…」
ふーん…。ま、こんなかっこいい男の子に彼女がいないわけないか。
「なんかさ…彼女もメールによく空の写真を添付してくれるんだけど…全く同じ天気だと嬉しくなるんだよね。」
なんだか嬉しそうに話しだす男の子の言っている意味があたしには全く分からない。
「何で同じ天気だと嬉しいの?」
「違う天気だと距離を感じるけど同じ天気だと近くに感じる。この空の下には彼女はいるんだーて。当たり前の話だけど空はひとつなんだよね…。」
ギラギラの太陽の下。蝉の鳴き声とまざって耳に入ってくる男の子の言葉。
うわ…初めて男の人をきれいだと思ってしまった。
少し切ない顔で笑う横顔。言っている言葉もなんだかあたしの胸に響いた…