希望が光に届くまで
私は何も言わずただ、無言で席についた。世の中って不公平じゃない?だってあんなに可愛い希望と、ごく、平凡な私。それだけなのにこんなに違う。私は、神様、希望、家族この3つが大嫌い。
「あっっ!日加里!淮斗くんだよ!」
「え!?っっどこ!?」
斉藤淮斗。学校のNo.1モテるんだよ!実は私も、かっこいいなって思ってる。振り向いてくれなくて構わない、構わないから。私は好きになれるだけで十分。って、本当はふりむいてほしいんだけどね。
「淮斗ぉ〜〜お、は、よ、?♡」
「お!飯島!おはよー!」
あ、飯島さん。また、アピールしてる。
「なんか嫌な感じじゃない?日加里。」
「う、うん...、」
「日加里なら大丈夫だよ!だって可愛いし、淮斗も振り向いてくれるよ!」
「間違いなく無理だよ」
「なんで〜!!!!!大丈夫だってぇ〜!!!!!」

よく言うよ。自分は可愛いからいいだろうけど。希望に、可愛いなんて言われたくない。大丈夫なんて言われたくない。私いつからこんな人間になったんだろ?いつから、神様を恨むようになったんだろ?いつから、家族、希望を嫌うようになったんだろ?いつから、こんな孤独な人間になったの?
幼稚園の頃までは、家族とも上手くやってたし、希望とも上手くやってた。だけど、お母さんが病気で入院してから、お父さんはストレスで私に暴力を振るうようになり、お兄ちゃんは、それを見て悲しそうな顔をしているだけ。ご飯も各自。会話もない。そんなことになっていることを私達はお母さんには隠し通しているんだよね。小学校高学年になった頃は私はいつも希望の引き立て役。
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