希望が光に届くまで
ほら...家に着いたらこれ?
お父さんがリビングで酒を飲みながらあぐらをかいていた。
「日加里。来なさい。」
「うん...」
また殴られるんだろうな。
「お前がいなきゃ、お前がいなきゃお父さんはこんな苦労しなくてすんだんだ!なんでいるんだよ!」
うっ、私の脇腹を強く、強く、踏み飛ばしながら、お父さんは私を睨みつけた。
...私も深く睨みつけた。
「なんだ、その目は」
何度も何度も頬を殴りつける。
「痛いっ痛いっ!もうやめて…」
わたしはお父さんが力を緩めた瞬間にお父さんの手から離れて逃げ出した。
口の中は酷く血の味がして気持ち悪かった。そんな中無我夢中で走ってきて、どこにたどり着いたかわからない。
もう、終わりだ…。死にたい。死んで楽になりたいよ…。
「あれ?形原?」
この、声…
「淮斗君?」
「何やってんだよ形原!女子がこの時間にこんなとこ一人でいたら襲われちまうぞ!」
「いいんだよ。私は!淮斗君こそなにやってるの?」
「俺は暇つぶし。散歩でもしようかなって。」