春よ恋。
そういった梨華は
少し不機嫌そうに見えた。

「分かった。ほんとにごめんね…」

梨華が答えることはなかった。
私は1人 16番の席に座って目を閉じた。
もし、梨華が5番に座っていたら
目が悪いと言い5番に私が行こう。

譲ってあげたいなんて
思わなきゃ良かった。
嫌われたらどうしよう…

ごちゃごちゃの気持ちのまま
ただひたすら目を閉じていた。

「にーな。あと五秒したら目開けてね」

目をつぶった私に梨華が声をかけた。

5.4.3.2.1…
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