君しかいらない~クールな上司の独占欲(下)
私はぎくりと固まって、思わず新庄さんから離れようとするけれど、新庄さんは、とまる気配を見せない。

首筋に、鎖骨のあたりにキスを降らせて、たぶん本当に無視するつもりだ。



「新庄さん…」



あせる。

だって、オートロックなのに、玄関のチャイムがいきなり鳴ったってことは。



(鍵を、持ってるってことじゃ――)



予想どおり、すぐにガチャガチャ、バタンと音がして。



「貴志?」



いるなら、返事くらいしなさいよ。




女の人の、声がした。




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