君しかいらない~クールな上司の独占欲(下)
聞けば、スタッフの教育で有名なテーマパークだ。
じゃあ、こういうイベントでお客様の相手をしたり、人をさばいたりするのなんて、お手の物だろう。
本当に経験豊かだなあ、と感心する。
と同時に、また少しへこんだ。
別に、やっかむとか、そこまでバカバカしいことは考えないんだけど。
先輩として、自分てどうなのかなあ、と思ってしまう。
ふと視線に気がつくと、堤さんが私を見ていた。
目が合うと、にこ、と静かに笑って、綺麗な仕草で食事に戻った。
ホテルの部屋で、部屋着に着替える。
備えつけの浴衣を着るのが、私は好きじゃなくて、出張の時は必ず自分の部屋着を持ってくることにしている。
新庄さんは、どうしただろう。
もう、絵里さんが来ている頃だろうか。
少しは、身体が楽になっているといいんだけれど。
そんなことを考えていると、ドアが軽くノックされた。
オートロックのドアを開けると、やあ、と柔らかい声がする。
「堤さん」
「お邪魔していいかな」
どうぞ、と言うと、はいお土産、と缶ビールを放ってくれながら、入ってくる。
「どうなさったんですか」
「ちょっとね、上司として、夜這いに」
めちゃくちゃだ。
堤さんは、自分のぶんの缶ビールを開けながら、デスクの椅子を引っぱりだして、足を組んで座る。
話しだそうとする様子を見せたのに、途中でやめると、私を上から下まで眺めて、軽く目を見開いた。
じゃあ、こういうイベントでお客様の相手をしたり、人をさばいたりするのなんて、お手の物だろう。
本当に経験豊かだなあ、と感心する。
と同時に、また少しへこんだ。
別に、やっかむとか、そこまでバカバカしいことは考えないんだけど。
先輩として、自分てどうなのかなあ、と思ってしまう。
ふと視線に気がつくと、堤さんが私を見ていた。
目が合うと、にこ、と静かに笑って、綺麗な仕草で食事に戻った。
ホテルの部屋で、部屋着に着替える。
備えつけの浴衣を着るのが、私は好きじゃなくて、出張の時は必ず自分の部屋着を持ってくることにしている。
新庄さんは、どうしただろう。
もう、絵里さんが来ている頃だろうか。
少しは、身体が楽になっているといいんだけれど。
そんなことを考えていると、ドアが軽くノックされた。
オートロックのドアを開けると、やあ、と柔らかい声がする。
「堤さん」
「お邪魔していいかな」
どうぞ、と言うと、はいお土産、と缶ビールを放ってくれながら、入ってくる。
「どうなさったんですか」
「ちょっとね、上司として、夜這いに」
めちゃくちゃだ。
堤さんは、自分のぶんの缶ビールを開けながら、デスクの椅子を引っぱりだして、足を組んで座る。
話しだそうとする様子を見せたのに、途中でやめると、私を上から下まで眺めて、軽く目を見開いた。