STAND BY ME



「桜ちゃんはさ、バレー辞めたいって思うことある?」

「……別にないけど」

「そっか」

桜ちゃんはリベロ。
バレー人口の中では高くない身長で、バレーにしがみつく為にはリベロしかなかった。

小学生の頃の男女混合のチームでは、俺がセッター、桜ちゃんがアタッカーとして、上級生すら負かしていたのだけど。

「俺、バレー辞めるよ」

「好きにしたらいいよ。あんたはよく頑張った」

桜ちゃんに言われて、また泣いた。
桜ちゃんは泣いてる俺を茶化すことなく、泣き止むまで黙って待ってくれた。

< 28 / 67 >

この作品をシェア

pagetop