STAND BY ME
「間違ってるかどうかなんて、私の知ったこっちゃないし、誰にもわかるわけない」
突き放したような口調になってしまうのは仕方ない。
「私は青葉のそばで、逃げたあいつを受け入れることしかできなかった。あいつがバレーから離れられないってことを知ってても、背中を押してやれなかった。
だけど、あんたは違う。逃げることを良しとせず、背中を押してやれてたじゃん。
だから、青葉はまたバレーを始めたんだよ。練習中の顔見た? あんな楽しそうな青葉、中学以来だ」
私にはできなかったことを、この子はやった。
そして、再び青葉は笑顔を取り戻した。
その時に気づいたんだ。
どれだけ寂しかろうと、悲しかろうと、青葉を支えるべきは私ではなくて、この子。
私じゃ、青葉の本当の笑顔を取り戻せなかった。
私じゃ、青葉の幸せを取り戻せなかった。