STAND BY ME
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「そろそろ試合だし行くわ」
時間を確認すると、試合30分前になっていた。
俺は応援席で観る桜木とは反対側に向かった。
「よ、吉岡」
背中に投げかけられた声に振り向く。
さっきまで泣いていた目は赤く腫れてるし、可愛いとは言い難い顔だ。
「頑張れ、よ」
二カッと笑い、そう言ってくれた。
「う、ん、頑張る!」
俺はすごく嬉しかった。
青葉に対してでも、青葉のチームメイトに対してでもなく、俺個人への応援だったから。