過去にはさよならを。
第一章
にこやかに。
あたしの一番好きな時間………
面倒な会話もしなくていいし、疲れる笑顔も見せなくてもいい時間。
それは楽器を吹く時間(とき)
手に馴染んだ感触、普段はやらない楽器吹く時特有の口のカタチ………。
頭でさっきチューニングしたB♭の音を想像して、楽器を満たすくらいの音を出した。
「きら…?」
聞き覚えありまくりの声にあたしは返事もしないで、楽器を吹き続けた。
だって、いちいち反応するの面倒だし。
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