過去にはさよならを。
あたしだけ熱くなって馬鹿みたい。
馬鹿みたいな掲示物を横目でちらっと見て、職員室のドアを二回叩いた。
――――ガ、ガラ……ラ
古びたドアは中々、開けられなくて苦戦したうえに耳障りな音を立てて開いた。
「失礼します………西条きらです。放送で呼ばれたので入っていいですか。」
そう告げた瞬間に先生達の夜勤明けで血走った目はあたしに向かった。
そりゃそうだ。
校内放送で呼ばれるのは不良の生徒や何かをやらかした人だけと暗黙の了解がある。
髪も全く染めてなくて、悪事を働いたことのないあたしが呼ばれるのは少し癪に触る。
あたしは血走った目達から逃れたくて、担任の森村先生(もりむら)を探した。