過去にはさよならを。
「森村先生…居ますか………」
あたしは俯き気味にになりながら、蚊の鳴くような小さな声で担任を呼んだ。
「……ここに居るけど?」
「…………居たんなら…言ってくださいよ。」
なんと、森村先生はあたしの目の前でにやにやしながらあたしを見据えてた。
性格悪過ぎでしょ…。
半ば呆れ状態のあたしを森村先生は自身の真横に居る人物を顎で指した。
「………大野君…」
そこには不機嫌そうに唇を尖らせ、あたしを睨み付けてる帰宅部の大野。
そんなに日直を放り出したのを恨んでるのかな。
大野って皆に頼られてて、結構良い奴かと思ったのに器の狭い男だな。
自分が悪いのに何故かあたしの心は大野を徹底的に批判してた。