軌跡
「まゆみっ、
遅いって!」
「ごめぇん」
第一声をかけたのは、タメのまりちゃん。
「まりちゃん、
ミクもぅ来てる?」
「あぁ~
さっき来たけどどっか行ったよぉ。
どうせ彼氏の部活の応援でしょぉ」
そっか。
片山は確か…陸上部。
何か9月の下旬に
駅伝があって、それの練習があるらしい。
しかも夏の大会も
もう目の前だし。
あたしも頑張らなきゃ。
最近スポーツショップで購入した
黒のエナメルの中からラケットとタオルを
取り出した。
そしてエナメルは乱暴に
自分の汚いロッカーに入れた。
「あ、まゆみ!」
「亜海先輩!!
おはよぅございます!!」