軌跡
「ねぇまゆみ!
これ、お盆のときに
浅草に行ったの!
そこのお土産だよ☆」
「うっわぁ…ありがと!
でもごめんっ、
あたし何にもないっ」
「別にいいよぉ」
さやかがくれたのは
『雷門』と書いてある
ストラップだった。
「そういえば浅草って
来年東京遠足で行くよね?」
「そうなの?!
うわあ~・・・
行かなきゃよかった」
『でも人形焼美味しかったよ』と
なんとなくつぶやいたさやかだった。
今日は、
いつもより木漏れ日が眩しくて
これから起こる悲劇なんて
誰も、
知らなかった―――……・・・