軌跡

Starting Line*




桜の花びらが水色のなかで舞い散る。
きらきらの木漏れ日の中、あたしは歩いていた。



2006年4月7日…
今日から3年間、あたし大館まゆみは市立第一中学校に通う。
つまり、今日は入学式。

   

ぎこちない新しい制服に身を包み、
なれない道を歩く。


   
…新しいクラスでは、
友達がもっとふやせるかな。


…勉強はおいつけるかな。

   
…小学校の辛い思い出が忘れられるくらい、
楽しいことがあるかなぁ・・・。





「まゆみぃーーー!」
「えっ、あ、さやか!!!おはよぉ!」



さやか。
横塚さやか。
彼女とは幼稚園からの付き合いで、
ほかの人に話せないことも、


さやかには話していた・・・・。



そんな特別で大切な
存在なんだ。



   
「クラス、一緒になれるかなぁぁ…」
「さやかと一緒のクラスになれますよぉに!」






気がついたらもう
学校についていた。



  
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