妬こうよ、そこはさ。
ばたりと伏せた挙句、寝息まで立て始めた彼の肩を揺する。


一応確認はしておかなければなるまい。


「できたよ。食べないの」

「食べる……」


あ、少し呂律が回ってきた。そのうちちゃんと目覚めるだろう。


働かざる者食うべからず、などと言ってみても仕方がないので、さっさと二人分を食卓に並べる。


「できたよ。温かいうちに食べようよ」


眠気と重力に任せてぐらんぐらん舟を漕ぎまくる彼に、もう一度声をかければ。


「ん、ん? んー……」


むにゃ、と目をこすり。


一拍して。


「っ、うわ、ごめん」


少し焦ったように、今度こそ目を覚ました。
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