Rolling Love
ピー、ピー、と洗濯機がお仕事終了を高らかに宣言したので、キリのいいところで掃除の手を止めて洗濯物を干す。下着だけ自分の部屋の小さいピンチハンガーにかけて、他の服やバスタオルはベランダに干す。洗濯機からランドリーバスケットに移して、階段を上る。面倒なんだけど、運動不足の解消にいいかも、とか思いついてしまってからは、1階に洗濯物を干す気にならなくなったから我ながら現金だな、と思う。
洗濯物のしわをよく伸ばしてハンガーにかけると、柔らかく風が吹いてさっと服を揺らしてゆく。うん、これならお昼までに乾いてしまいそう。ついでにタオルケットも一気に洗濯することにして、私は両親の寝室のドアを思い切り開けた。
修ちゃんには、これからうちの両親の部屋で寝起きしてもらうことにした。あまり寝具にこだわりのなかった二人は、掃除のしやすさという利便性一択で折り畳みベッドを使っていたのだけど、これが功を奏した。もともと両親の寝室は、子供が増えてもパーテーションを使って部屋をのちのち増やせるような設計にしてあって、両親の私物をぐぐっと片側に押しやって、修ちゃんのスペースを開けたのだった。なるべくゆったり過ごせるように。もちろん私だけじゃここの片づけは無理だから、ある程度お父さんとお母さんに頑張ってもらったけど。
昨日の朝までふたりがいたこの部屋は、ふたりの主としばしのお別れをしたことを理解しているのか、夏の朝の陽気に似合わず、少しだけ物悲しい空気を抱いていた。だけどもうすぐ、新しい主がやってくることを私が薄々匂わせているせいか、窓から差し込む光に少しずつ元気づけられてゆく。大丈夫、ここに新しく来る人はとってもいい人だから。窓を開けて空気を入れ替えながら、私はそうひとりごちる。
洗濯物のしわをよく伸ばしてハンガーにかけると、柔らかく風が吹いてさっと服を揺らしてゆく。うん、これならお昼までに乾いてしまいそう。ついでにタオルケットも一気に洗濯することにして、私は両親の寝室のドアを思い切り開けた。
修ちゃんには、これからうちの両親の部屋で寝起きしてもらうことにした。あまり寝具にこだわりのなかった二人は、掃除のしやすさという利便性一択で折り畳みベッドを使っていたのだけど、これが功を奏した。もともと両親の寝室は、子供が増えてもパーテーションを使って部屋をのちのち増やせるような設計にしてあって、両親の私物をぐぐっと片側に押しやって、修ちゃんのスペースを開けたのだった。なるべくゆったり過ごせるように。もちろん私だけじゃここの片づけは無理だから、ある程度お父さんとお母さんに頑張ってもらったけど。
昨日の朝までふたりがいたこの部屋は、ふたりの主としばしのお別れをしたことを理解しているのか、夏の朝の陽気に似合わず、少しだけ物悲しい空気を抱いていた。だけどもうすぐ、新しい主がやってくることを私が薄々匂わせているせいか、窓から差し込む光に少しずつ元気づけられてゆく。大丈夫、ここに新しく来る人はとってもいい人だから。窓を開けて空気を入れ替えながら、私はそうひとりごちる。