Rolling Love

「……どうしたの、お母さん。あたし、なんか顔についてる?」
「璃子、あのね、ビッグ・ニュースがあるの。修哉くんなんだけどね」
「修ちゃん?修ちゃんがどうしたの?」
「修哉くんがうちに下宿するの」
「へ」
「でね、お盆明けから、お父さん海外勤務になったのね。お母さん、お父さんについて行くから、入れ違いね。ほんとなら璃子の一人暮らしの予定だったけど、修哉くんに来てもらうから二人暮らしね」

 突拍子もないお母さんの言葉に、わたしは二の句が継げなかった。というか、理解するまでに時間を要したのだった。データの読み込みのやたら遅かった2000年前後のiMacのように。
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