Rolling Love
「それがねぇ、修哉くん、大学のすぐ近くでバイトしてるらしいのよ。お盆までは試験期間と帰省ですって言って半月休みもらってるみたいなんだけど、お盆明けからはシフト上出ないときついから、って。高原のおうちからじゃ、大学の近くまで2時間以上かかるでしょ?その頃にはお母さんたちも向こうに行ってるし、このうちが手狭ってこともないから」
「そっか、バイト…え、でも、えええ……」

 未だに言葉のまとまらないわたしを尻目に、お母さんは変わらずにこやかに、食べ終えたゼリーの皿をシンクに下げた。お母さんはアイスコーヒーのおかわりを確認してくれたけれど、情けないことに生返事しか出来なかったので、まぁいいかとボトルを下げる。
 そりゃあ、昔は仲が良かった。喧嘩だってほとんどしたことがなかったし、同い年で誕生日が近くて近所に住んでて、おまけに親戚同士で、小さい頃は似てないこともない外見だったから、おじさんおばさん連中からは双子みたいに扱われたことも一度や二度じゃない。
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