今日もそれは鳴らない。


「もう、いいよ」

「......麻里?」

「これは壊さない」

そう言って、掴んでいた時計をそっとベッドの上に置いた。


「貴方がこれを、"いらないって"
 思えるまで、私は待ってるよ。」

そう言って彼の胸を押し返し、ぶつかった視線の先で微笑んだ。


「ごめん、ありがとう」

そう言って、微笑む彼が。

やっぱり、どうしようもなく、

愛しくて仕方ないんだ。




*end*
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