ただ、今
プリクラを撮りはじめて
あれやこれや
言いながら撮っていると
突然キスをされた。
放心状態になっていると
『なあ、あみ。俺の女になってよ。こんなやり方よくないってわかってるけどさ。やっぱお前の事、好きみたい。』
涙が出た。
プリクラを撮ってる途中
だったのも忘れて
プリクラ機の中で泣いた。
今でもそのプリクラは
実家の自分のタンスの中に
綺麗にしまってある。
結ばれた記念日だって
あえて泣いて
不細工なわたしの
プリクラを彼は選んだ。
「バカじやないの。」
やっと言えた言葉は
素直じゃない言葉で
でもひろちやんも
わかってくれているように
優しく笑いながら
服の袖で黙って
拭いてくれた。
『ねえ、あみ。返事。ちゃんと聞かせて?』
「いいに…いいに決まってんじゃん。ばか。」