ただ、今
おかえり
力なく笑うひろちやんを
抱き締めたいと
ただそれだけで
わたしは財布と携帯を
もちただ駅まで走った。
ひろちやんは
まだ会わない方がいいって
もしかしたらあみに
迷惑を掛けるかも
しれないって言ったけど
関係なく電車に乗った。
いつもならワクワク乗る
この電車も
いつもよりも長く感じ
駅に着けば
背を向けタバコを吸い
座り込んでいる
ひろちやんがいた。
「ひろちゃん!!」
ひろちゃんの所までの
距離が長くて
ただ少し離れただけなのに
だいぶ会ってない
恋人同士のように
ひろちゃんの胸に
飛び込んだ。
『いてぇな。あみ(笑)』
「ばか。ひろちゃんのばか。あみなんか守らなくたって負けないよ。」
『おー。あみはその辺の女より強いからなー。だけど俺が守ってやらなきゃ、お前誰に守られるんだ?』