アンリクワイヤード・ラブ
キーンコーンカーンコーン…
4限目の終了のチャイムが鳴り響く。
あたしは いつものように
屋上に向かおうと
お弁当を持って準備をしていた
「おーい、日直!
昼の間に数学のノート集めといてくれ〜」
そんな声が教卓の前にいる
担任の先生から聞こえた。
今日の日直って確か…
黒板の端に目をやると
案の定 あたしが日直だ。
もう1人
あたしと同じ日直の子の方を見ると
先生の話を聞いていなかったのか
お弁当を開けて食べ始めている。
ど、どうしよ……
言った方がいいのかな…
でも…あんな大勢いる中
喋りかけられないよ。
人見知りの あたしが
人がいっぱいいる中に
話しかけに行けるわけがなく
どうしよかと迷っていたときに
救世主が現れた。
「田中。あんた今日 日直でしょうが!」
あたしと同じ日直の田中くんを
バシッと強めに叩く女の子。
……救世主?
あたしが 目をパチクリさせながら
その子を見ていると
「お弁当。食べに行かないの?」
机の上に用意してある
お弁当を見ながら
あたしに優しく微笑みかける
ロングの髪を少し緩く巻いていて
笑顔が とても素敵な女の子…
確か…名前は…
牧田さん…だったかな