アンリクワイヤード・ラブ




「あ、えっと…その……」



言葉に詰まっていると



「あ、今日 "早川さん"も日直かぁ!」


黒板の方を見て
あたしが日直だという事に
気付いたみたい。



あたしの名前…知っててくれてるんだ…


つい嬉しくなって
必要以上に首を縦に降る



「日直の仕事は 田中に任せて
お昼食べに行ってきな!

"友達"待たせてるんでしょ?」



"友達"……


頭に浮かぶのは
風堂くんの顔。


あたしと風堂くんは
友達なんだろうか…?


あたしが何も答えずにいると



「どうしたの…?」



心配そうに
あたしの顔を覗き込む牧田さん。



「…なんでもないです……」



そうあたしが答えると
にこっと微笑んで



「あたし、牧田 夏海(Natumi Makida)
同じクラスなんだけど…分かる?」



「…し、知ってます!」



少し噛みながらも
必死に言うと

牧田さんは


「早川さん おもしろいね」


また あたしに
優しく微笑みかけた。



< 22 / 64 >

この作品をシェア

pagetop