アンリクワイヤード・ラブ




「なんで教えてくれなかったの?」



お昼休み–––––––

風堂くんに
特別クラスの事を問いただす。



「別に…聞かれなかったから
言わなかっただけだけど……」



そりゃそうか……



「それに 5組が特別クラスだって
知らない人がいるとは思ってなかった」



ごもっともです…


2ヶ月遅れとは言え

もうすぐ 初登校して
1ヶ月経とうとしてるのに…

友達のいない
あたしに特別クラスの存在など
知るよしもない。



「…そ、それだけじゃないよ!
意外に人気あるんじゃん!

あたしと同じ地味キャラだと
思ってたのにーー!」



「地味キャラ…?

しかも 意外に人気って…
別に俺…人気じゃないけど」



しれっと言ってみせる風堂くん。

…自覚ないの?

それとも嫌味か何か?



「…あたし……風堂くんが
こんなにすごい人なんで知らなかった。」



…知らないところが
いっぱいあるのに


なんで好きになっちゃったんだろう…



「…あたし…風堂くんのこと……っ!」



" もっと知りたい "

そう言いかけた時



ガチャと誰も来るはずのない
屋上の扉が開いた。



「……ユキ先輩…」


風堂くんの顔は
すごく…切ない顔をしてた。




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