アンリクワイヤード・ラブ
「えーっと…お邪魔しちゃったかな?」
あたしの方をチラッと見て
申し訳なさそうに言う
「別に…」
相変わらず風堂くんは
無愛想に答える。
「…そう。
てっきり彼女かと思った。
涼のこと よろしくね!」
あたしの方を見て
ニコッと微笑む。
「え…?あ、はい!」
あたしも 笑顔で返すと
満足したように頷いて
屋上の扉を開く。
「…先輩。目腫れてますよ…
また泣いたんですか?」
行こうとする"ユキ先輩"を
風堂くんは手を掴んでそう言った
「…ううん…大丈夫。また今度ね。」
そう言って寂しく微笑みながら
風堂くんから離れていく
それを切なそうに見る風堂くん…
あぁ…そっか…
あの人が……
…風堂くんの
好きな人––––––––––––