アンリクワイヤード・ラブ




風堂 涼 side –––––––…


「…はや……」


勢いよく走り去る
早川を呼び止めようとしてやめる…


「…なに考えてんだ、俺……」


呼び止めて どうする?

早川の気持ちには
こたえてあげられない…



「あぁ…くっそ……」


「随分、イラついてるのね。」


「…先輩……」



早川と入れ違いで入ってきたのか
俺の後ろにいるユキ先輩…

俺の片思いの相手–––––––…



「何の用ですか?
なにか貸してましたっけ?」


「別に用はないんだけどね
涼に会いたくて…」


ユキ先輩は こうやって
俺をすぐに誘惑する


俺の気持ちに
こたえる気なんてないくせに…



「また彼氏と喧嘩ですか?
いい加減 聞きあきま……」


話の途中で俺に抱きつくユキ先輩…

この人は いつも…
彼氏と喧嘩すると俺のもとへ来る……

利用されてる事は分かってる

でも……それでも……
俺は 先輩を抱きしめてしまう。


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