アンリクワイヤード・ラブ




「涼を…好きになれば
あたしは 幸せになるのかな…?」


また心にもない事を…
それで 俺がどれだけ期待すると思ってるんだ



「先輩は 本当にずるいですよ…」



キスをしようとしたところで
ふっと早川の顔を思い出す……


「…涼……?」


俺の顔をキョトンした顔で見つめる先輩…


「すいません…
俺 今日は そんな気分じゃないんで」


そう言って 先輩から離れた…


「そっか。なら仕方ないね…
大切にしたい子でも出来た?」


大切にしたい子……
早川の笑顔が頭に浮かぶ…


「別にそんなんじゃ……」


「さっき この前ここで会った
女の子が泣いてたよ?」


「……知ってますよ…」



俺が近づけば…
また 早川を傷つける。

期待なんかさせたくない…



「涼は 本当にそれでいいの?」



「何で先輩は 俺にそんな事聞くんですか?
俺の気持ち…知ってますよね?」



「………」



黙り込む先輩…



「肝心なことは いつも黙りじゃないですか
俺は 先輩にとって なんなんですか?」



聞きたくないことを
口走ってしまう…


今日の俺は どうかしてる…


「…ごめんなさい……あたし…っ」


「もう いいです…
俺…帰ります……頭冷やしたいんで…」


先輩の言葉をさえぎるように
俺は少し大きめの声で言った


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