「先生、それは愛だと思います。」完
そう告げると、先生は、私の背中に腕を回して、私の肩に顔を埋めた。
それから、やっと謎が解けたような、本当に安心した声で、囁いたんだ。
「そっか、知らなかった……」
先生が、あんまりにも泣きそうな声で言うから、更に涙腺が弱まってしまった。
「こんなに苦しいものなんだ……」
僅かに手を震わせながら、私を抱きしめる彼に、もう両手でも抱えきれないほどの愛しさが溢れだしてしまった。
先生を強く抱きしめながら、
先生が知らない優しい感情を、私がもっと教えてあげたい。
心から、そう思ったんだ。