「先生、それは愛だと思います。」完
「好きだよ……」
涙腺が更に弱まってしまい、ぎゅっと強く抱きつくと、先生は〝さっき言ってもらった回数分、好きって言い返した方がいい?〟なんて言うから、私は先生の胸を軽く叩いた。
やっぱり先生はずっと起きていたんだ。
恥ずかしくて、嬉しくて、幸せで、どうにかなってしまいそうだった。
先生の大きな手が、何度も私の後頭部を撫でる。
このまま時間が止まってしまえばいいのにって、本気で思った。
先生の瞳は、少し赤くなっている。
ただの寝不足だからか、そうじゃないのか、どっちか分からなかったけど、寝不足が理由じゃなかったら良い。
あなたも、私と同じ分だけ、苦しくて愛しい気持ちになっていたら良い。
そう思いながら、いつもより少しだけ速い先生の心音に、耳を澄ませた。