「先生、それは愛だと思います。」完
「すみません、祥太郎のきょうだいの、麻衣と申します。彼の忘れ物を届けに来たのですが……」
『あ、そうだったんですね! お入りください』
……バカな女。
ガラスドアが開き、私はエレベーターへ向かった。
予備校がある階へ着くと、一歩一歩ゆっくり進み、部屋のインターホンを鳴らした。
すぐに鍵が外される音がして、間抜け面の女が出てきた。
「あ、祥太郎君のお姉さん……ですか? あ」
東海林高校の制服を着ている彼女は、私の顔を見て、あの時のコンビニでのことを思い出した様子だった。
「どうも。誕生日が私の方が早いので、一応お姉さんになるかも。血は繋がってないんで双子じゃないですよ」
「あ、そうなんですね……」
「まさかこんな形で再会するなんて、麻衣びっくりです~」
これでもかというくらいの作り笑顔を向けると、彼女は引きつった笑顔を返してきた。
「麻衣さん、祥太郎君が来るまで中で待ちます……?」
「え、いいんですかあ?」
最初からそのつもりよ、さっさと入れなさいよ。私は祥太郎じゃなく、あなたに用があってきたんだから。
心の中でそう思いながら、私は部屋の中へ足を踏み入れた。
部屋は白を基調としたとても清潔感のある部屋で、予備校のイメージとは全く異なっていた。
とりあえずソファーに座ると、彼女はお茶の用意をしにキッチンへ消えた。きっと、祥太郎がはやく来ることを願っているだろう。
まさかあの時、高橋先生の腕に絡みついていた女が、こうして再びやって来るなんて。
「砂糖要りますか?」
「大丈夫、ありがとう。あなたも座って?」
「あ、じゃあ……」
『あ、そうだったんですね! お入りください』
……バカな女。
ガラスドアが開き、私はエレベーターへ向かった。
予備校がある階へ着くと、一歩一歩ゆっくり進み、部屋のインターホンを鳴らした。
すぐに鍵が外される音がして、間抜け面の女が出てきた。
「あ、祥太郎君のお姉さん……ですか? あ」
東海林高校の制服を着ている彼女は、私の顔を見て、あの時のコンビニでのことを思い出した様子だった。
「どうも。誕生日が私の方が早いので、一応お姉さんになるかも。血は繋がってないんで双子じゃないですよ」
「あ、そうなんですね……」
「まさかこんな形で再会するなんて、麻衣びっくりです~」
これでもかというくらいの作り笑顔を向けると、彼女は引きつった笑顔を返してきた。
「麻衣さん、祥太郎君が来るまで中で待ちます……?」
「え、いいんですかあ?」
最初からそのつもりよ、さっさと入れなさいよ。私は祥太郎じゃなく、あなたに用があってきたんだから。
心の中でそう思いながら、私は部屋の中へ足を踏み入れた。
部屋は白を基調としたとても清潔感のある部屋で、予備校のイメージとは全く異なっていた。
とりあえずソファーに座ると、彼女はお茶の用意をしにキッチンへ消えた。きっと、祥太郎がはやく来ることを願っているだろう。
まさかあの時、高橋先生の腕に絡みついていた女が、こうして再びやって来るなんて。
「砂糖要りますか?」
「大丈夫、ありがとう。あなたも座って?」
「あ、じゃあ……」