「先生、それは愛だと思います。」完
迫られる選択
正直今の私の頭の中は、大パニック状態である。
『最終的に傷つくのは、絶対文月先輩だけですよ』
『あなたとの関係がバレたら、先生は社会的に傷つくわ』
『健気ぶってんなよっ、気持ち悪い!』
うるさい、うるさいうるさいうるさい! 皆うるさい!!
私は今とにかく、勉強に集中しなきゃいけないのだ。
心美ちゃんの忠告は私のことを思ってのことだと分かった。でも今は先生とこれ以上進展することも破局することも考えられない。
祥太郎君と先生が口論してとてもヒヤヒヤしたし、美里さんのことも気になった。でも今はそこを穿り返している暇はない。
先生にあんな風に言われてすごく嬉しかった。でも今はしっかりとメリハリをつけなきゃならない。
突然現れた麻衣さんにズタズタに言われた。図星をさされまくってKO状態だった。改めて現実を思い知らされて、先生との幸せな時間が一気に氷点下に下がった。
しかし、どんなことを言われようと、どんなことで傷つこうと、私は今受験生なのだ。
いつまでも色恋沙汰に惑わされているなんて駄目だ。このままじゃ絶対に落ちる。
予備校まで通わせてもらったのに、落ちたらお母さんに顔向けできない。これ以上お金をかけさせるなんてこと、できない。