「先生、それは愛だと思います。」完
どうして私は早まって、あの時先生に告白をしてしまったのだろうか。
あの時気持ちを伝えなければ、あの時踏みとどまることができれば、あと一年我慢すれば、こんなことにはならなかった。
でもきっと、私が高校生だからこそ、生徒だからこそ、先生に刺さった言葉がある。
高校生だから遠慮せずに言えたことだって、沢山ある。
「……頭痛い……」
私は、分厚い赤本を枕にして、うつ伏せた。
先生のことが好き。
それだけなのに、どうしてこんなにも『好き』という感情には、付属品が多いのでしょう。
ぼうっとしながら、スマホを開くと、先生からメッセージが届いていた。
『勉強はどう? わからないところとかあったら返信ちょうだい。なかったら大丈夫』
わからないことなんて、沢山ありますよ、先生。
私は今、結果の良くない模試の成績を思い出しては、こんな時期に先生を好きになってしまった自分に、少し後悔してる。
あんな風に啖呵を切ったのに、先生に好きって気持ちを伝えたいなんて言ったくせに、私は本当に酷い人間だ。
勉強しなくてもテストができるタイプだったら、どんなによかったことだろう。
自分がどうしたいのか、わからない。でも、先生が好き。
先生が好きだよ。それなのに、どうしてこんなに悩ましくて苦しいのだろう。