麗しき星の花
レシピの分量をばっちり覚えている3月26日生まれの牡羊座な小学三年生、玲音。本当に8歳なのか疑惑のある小悪魔は、にこにこと微笑みながらアドバイスをする。
しかし周囲を騙くらかすペロペロしたい砂糖菓子の微笑みは、姉に対してはその限りではないらしい。今の彼のにこにこは、裏のないにこにこである。
「まあ、そうですね。玲音、ありがとうございます」
「いえいえー」
弟は姉のうっかりに慣れている模様。
そんな姉弟の会話を聞きながら、ちょっと不安になってきたシンとリィである。……おかしい。さきほどレシピは確認して、目の前にそのメモも置かれているのに、何故分量が適当に……。
「では、今度は砂糖を……ええと、100グラムを180グラムにしたから、砂糖は、これくら」
「これくらい、は、だめ」
じとっとした目でリィに言われる。
「は、はい。ええと……大さじ3杯、半……と、ちょっと」
リィに見つめられながら、琴音はきちんと砂糖を計った。……つもりだった。
「琴音、擦り切れてない。それはちゃんと計れてないぞ」
シンに突っ込まれ、あれ、と首を傾げる琴音。
「擦り切れてない、とは?」
「……計量スプーンで正確に計るには、こう……」
リィが砂糖を計量スプーンですくい、綺麗に平に擦り切ってからぽいぽいと薄力粉の上に入れていく。それを見てシンが「そうそう」と頷いている。
しかし周囲を騙くらかすペロペロしたい砂糖菓子の微笑みは、姉に対してはその限りではないらしい。今の彼のにこにこは、裏のないにこにこである。
「まあ、そうですね。玲音、ありがとうございます」
「いえいえー」
弟は姉のうっかりに慣れている模様。
そんな姉弟の会話を聞きながら、ちょっと不安になってきたシンとリィである。……おかしい。さきほどレシピは確認して、目の前にそのメモも置かれているのに、何故分量が適当に……。
「では、今度は砂糖を……ええと、100グラムを180グラムにしたから、砂糖は、これくら」
「これくらい、は、だめ」
じとっとした目でリィに言われる。
「は、はい。ええと……大さじ3杯、半……と、ちょっと」
リィに見つめられながら、琴音はきちんと砂糖を計った。……つもりだった。
「琴音、擦り切れてない。それはちゃんと計れてないぞ」
シンに突っ込まれ、あれ、と首を傾げる琴音。
「擦り切れてない、とは?」
「……計量スプーンで正確に計るには、こう……」
リィが砂糖を計量スプーンですくい、綺麗に平に擦り切ってからぽいぽいと薄力粉の上に入れていく。それを見てシンが「そうそう」と頷いている。