麗しき星の花
「それで、拓斗叔父様、プロポーズの言葉は考えられました? 何年も待たせているのですから、最高の場所で、最高の言葉を贈ってくださいね。一生に一度のことなのですから、思い出に残るような素敵なものがいいですわ」
「いや、う、うん、分かってる……」
「拓斗さん、なんて言うの?」
シンも興味深々で口を挟む。
「え、いやー、それは、まだ考えてないというか……兄さんに相談したかったんだけど……でも兄さんに言うと、とんでもなく恥ずかしい台詞が返ってきそうで怖いんだよね……」
「ありえる……」
気障な台詞オンパレードの和音を知っているリィは、小さく頷く。
「プロポーズですもの、そのくらいで丁度いいのですわ。拓斗叔父様ったら、ちっとも甘い言葉を囁かないのですもの、たまには言って差し上げたらどうです?」
「うん、ペインさん、喜んでくれると思うよー?」
「そ、そんな、恥ずかしいよ……」
いい大人が小学生に言われて顔を赤くするんじゃありません。
そんな拓斗の肩を、ぽん、と叩く白い手があった。
「恥ずかしがってはいけないよ。男には、腹を決めて立ち向かわなければならない場面があるんだぴょん」
それは、ウサギだった。
円らな黒い瞳をした、巨大な白ウサギのぬいぐるみが、拓斗の肩に手を置いている。
「あー、ごしょがわらだべ!」
シルヴィが声をあげる。
さっきから声がしないと思ったら、シルヴィはみんなの話などそっちのけで、テーブルの上のご馳走を次から次へと口に突っ込んでいた。早く話を切り上げないと全部食べられてしまう勢いだ。
「花音……」
「五所川原だぴょん」
巨大ウサギはピョコピョコ腕を動かした。
「いや、う、うん、分かってる……」
「拓斗さん、なんて言うの?」
シンも興味深々で口を挟む。
「え、いやー、それは、まだ考えてないというか……兄さんに相談したかったんだけど……でも兄さんに言うと、とんでもなく恥ずかしい台詞が返ってきそうで怖いんだよね……」
「ありえる……」
気障な台詞オンパレードの和音を知っているリィは、小さく頷く。
「プロポーズですもの、そのくらいで丁度いいのですわ。拓斗叔父様ったら、ちっとも甘い言葉を囁かないのですもの、たまには言って差し上げたらどうです?」
「うん、ペインさん、喜んでくれると思うよー?」
「そ、そんな、恥ずかしいよ……」
いい大人が小学生に言われて顔を赤くするんじゃありません。
そんな拓斗の肩を、ぽん、と叩く白い手があった。
「恥ずかしがってはいけないよ。男には、腹を決めて立ち向かわなければならない場面があるんだぴょん」
それは、ウサギだった。
円らな黒い瞳をした、巨大な白ウサギのぬいぐるみが、拓斗の肩に手を置いている。
「あー、ごしょがわらだべ!」
シルヴィが声をあげる。
さっきから声がしないと思ったら、シルヴィはみんなの話などそっちのけで、テーブルの上のご馳走を次から次へと口に突っ込んでいた。早く話を切り上げないと全部食べられてしまう勢いだ。
「花音……」
「五所川原だぴょん」
巨大ウサギはピョコピョコ腕を動かした。