麗しき星の花
 フェイレイとリディルの元に、子どもたちから手紙が送られてきた。

 学校が夏休みに入ったらしく、成績表も一緒に送られてきた。通知表には親のサインとコメントが必要なのだ。

 一学期の成績については、リィは満遍なく良い評価だった。この調子でやっていって欲しい。

 問題はシンだ。

 体育、家庭科はズバ抜けて良かった。美術、技術もそこそこ良かった。音楽、英語はまあまあだった。しかし国語、数学、社会、理科の一番問題な教科がまるで駄目で、特に国語は読み書きからして危なく、何故補習にならなかった、というレベルであった。二学期はもっと頑張りましょう。

 シルヴィの通知表には、大きな花丸がついていた。とても元気で活発で、クラスのみんなにかわいがられています、と小夜先生からのコメント。小夜先生、色々と面倒をおかけしています。ありがとうございます。

 
 修行については、拓斗をはじめ、鷹雅、時々雪菜も相手になってくれているらしい。親としても、師匠としても有り難いことだ。

 その拓斗が結婚。

 実に目出度い話だ。夏休みに入ってすぐに式を挙げ、天神学園関係者たちで盛大に披露宴を開催するとか。橘家で世話になっていたフェイレイとリディルにとってもそれは吉報であった。

 惜しむらくは、自分たちがその祝いの場にいないこと。

 和音も、雪菜も、鷹雅も、拓斗も。世話になった友人たちを祝うことが出来ないのが口惜しい。

 ならばせめて祝いの品を届けよう、ということになっていたのだが──。




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