麗しき星の花
 その日の夜。

 青空に虹のかかった壁紙の貼られたシルヴィの部屋に、3人は川の字になって寝転んでいた。

 シルヴィにご飯の魔力をあげた後なので、シンもリィも少し瞼が重い。

「ニンゲンは誕生日に贈り物すんだなぁ。兄ちゃんや姉ちゃんがらお花の髪飾りもらったのに、おれ、なんにも用意してなかっただ。ごめんなんしょ……」

「いいんだよ、シルヴィは」

 シンがシルヴィの頭をくしゃくしゃと撫でる。

「うん……私たちは、シルヴィがいつも元気でいてくれれば、とても安心……嬉しいからね」

「んだが? ほんじゃら、おれ、いっつも元気でいるだ。兄ちゃんと姉ちゃんを安心さしてやっかんない」

「うん」

 リィもシルヴィの頭をそっと撫でてやる。

 今日も元気いっぱいはしゃいだシルヴィは、撫でられる気持ちよさに眠くなってきて欠伸をした。それに同調するようにリィ、そしてシンも欠伸をする。

「ふあぁ……。それにしても、シルヴィはちっちゃいのに良く食うなぁ。大分慣れたけどさ、魔力食わせると眠くてしょうがないよ」

「ごめんなんしょ……おれ、ホントはちっちゃぐねぇがらなぁ」

「そっか……ドラゴンのときは大きいものね……」

「んだ」

「そういや、そうだよな……。シルヴィ、大人になったらどんだけ食うんだろうな。俺たちの魔力で足りんのかな。父さんたち死んだらクードに預けるって言ってたけど、クードでも間に合わなそうだぞ?」

「んー、さすけねぇ(大丈夫)」

 シルヴィは母ちゃんバージョンの五所川原を抱きしめ、眠そうに目を細める。

「大人んなったら、自分で魔力作れんだぁ。ほしたら自然の中にある魔力食うだけで生ぎられっから」

「そうなんだ……」

「そりゃ良かった」

 リィ、そしてシンはほっとする。

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