麗しき星の花
母方の祖父は、アルドヘルム=カルロ=ユグドラシェル。紺色の髪に紫暗の瞳を持った第二代惑星王である。心の澄み切った優しい人物であったとは、リディルの兄、今上惑星王の談だ。
母方の祖母はシャンテル=アルクイン。宿場町の小さな宿屋で働いていたときに、忍びで来ていた惑星王と出会ったそうだ。民間人である彼女が皇宮に迎えられることはなかったが。シャンテルはハニーブラウンの髪に翡翠色の瞳を持った、優しく、気丈な女性であった。
「シャンテルおばあちゃんはね、精霊の加護もなく、武人でもなかったけれど、あの人は強かったって、みんなが言ってる。彼女の孫であることを誇りに思いなさいって、惑星王からも、言われてる……」
リィがバランスボールの上で、優しく語る。
「さすが母ちゃんの母ちゃんだべ!」
シルヴィは目をキラキラさせて頷いた。
「あとは? あとは何か知ってることねぇだか?」
「あと? ……あー、父さんは、殴られ続けるじいちゃんを見て、絶対にばあちゃんみたいな嫁は嫌だと思ってたらしいな」
「はにゃ。母ちゃんは父ちゃんを殴ったりしないだ」
「うん。ちゃんと殴らない嫁を見つけたんだな」
「でもおじいちゃんは、おばあちゃんに殴られても全然平気だったし、おばあちゃんを捕まえて抱きしめたり、ほっぺに、ちゅー、とかしたり……いつも仲良しで、すごくしあわせそうだった、って……」
「……その辺、父さんはじいちゃん似なんだ、きっと」
「んだ、父ちゃんは母ちゃん大好きだ。ちゅー、いっぺぇしてんもんな!」
「もう、恥ずかしいなぁ……」
「んだがー? ちゅーしてっとしあわせそうで、おれ、好きだげんちょ」
母方の祖母はシャンテル=アルクイン。宿場町の小さな宿屋で働いていたときに、忍びで来ていた惑星王と出会ったそうだ。民間人である彼女が皇宮に迎えられることはなかったが。シャンテルはハニーブラウンの髪に翡翠色の瞳を持った、優しく、気丈な女性であった。
「シャンテルおばあちゃんはね、精霊の加護もなく、武人でもなかったけれど、あの人は強かったって、みんなが言ってる。彼女の孫であることを誇りに思いなさいって、惑星王からも、言われてる……」
リィがバランスボールの上で、優しく語る。
「さすが母ちゃんの母ちゃんだべ!」
シルヴィは目をキラキラさせて頷いた。
「あとは? あとは何か知ってることねぇだか?」
「あと? ……あー、父さんは、殴られ続けるじいちゃんを見て、絶対にばあちゃんみたいな嫁は嫌だと思ってたらしいな」
「はにゃ。母ちゃんは父ちゃんを殴ったりしないだ」
「うん。ちゃんと殴らない嫁を見つけたんだな」
「でもおじいちゃんは、おばあちゃんに殴られても全然平気だったし、おばあちゃんを捕まえて抱きしめたり、ほっぺに、ちゅー、とかしたり……いつも仲良しで、すごくしあわせそうだった、って……」
「……その辺、父さんはじいちゃん似なんだ、きっと」
「んだ、父ちゃんは母ちゃん大好きだ。ちゅー、いっぺぇしてんもんな!」
「もう、恥ずかしいなぁ……」
「んだがー? ちゅーしてっとしあわせそうで、おれ、好きだげんちょ」