麗しき星の花
待ちに待った剣の修行が始まる。
拓斗との修行ももちろん楽しいし、彼のおかげでタイマントーナメントで瑠璃と同時優勝出来たと言っても過言ではない。
だが今後シンの目標──『勇者』になってみんなを護れる人になること──を達成するには、更なる飛躍が必要だと感じていた。そのためにはきちんとした師が欲しいと感じていたところに現れた救世主、櫻井聖。
師である父の元を離れて早一年が経とうとしている。その間、修行をサボったりしたことはないが、やっと本格的な指導者が現れてくれたことで、シンのやる気は満ち溢れていた。
(よしっ!)
まずはリィとの修行風景を見せてくれ。
そう頼まれていたシンは、聖を迎えに行くために早朝4時に起き、トレーニングも兼ねてランニングしながら櫻井家へ向かった。
「おはようございますっ!」
早朝4時半に、医院と併設されている櫻井家の前で元気に挨拶するシン。
しばらくして、エプロン姿の李苑が玄関を開けてくれた。
「おはようございます、シンくん」
にっこりと優しい微笑みを浮かべて挨拶をしてくれる李苑。お淑やかな彼女の声がいつもより更に静かなのは早朝だからだ。まだ辺りは暗いし、外は白い息が零れるほど冷え込んでいる。
「聖くん、シンくんが迎えに来てくれましたよ、聖くーん」
李苑が玄関から奥に向かって呼ぶと、リビングらしきドアからぬっと聖が現れた。
その瞬間、びりっと肌に電流が走った。彼の鋭い切れ長の瞳と目が合うと、心臓の奥が音を立てて凍りつくような錯覚に陥った。
無意識のうちに手を握り込み、冷や汗を流していると、李苑がにこやかに声をかけてきた。
拓斗との修行ももちろん楽しいし、彼のおかげでタイマントーナメントで瑠璃と同時優勝出来たと言っても過言ではない。
だが今後シンの目標──『勇者』になってみんなを護れる人になること──を達成するには、更なる飛躍が必要だと感じていた。そのためにはきちんとした師が欲しいと感じていたところに現れた救世主、櫻井聖。
師である父の元を離れて早一年が経とうとしている。その間、修行をサボったりしたことはないが、やっと本格的な指導者が現れてくれたことで、シンのやる気は満ち溢れていた。
(よしっ!)
まずはリィとの修行風景を見せてくれ。
そう頼まれていたシンは、聖を迎えに行くために早朝4時に起き、トレーニングも兼ねてランニングしながら櫻井家へ向かった。
「おはようございますっ!」
早朝4時半に、医院と併設されている櫻井家の前で元気に挨拶するシン。
しばらくして、エプロン姿の李苑が玄関を開けてくれた。
「おはようございます、シンくん」
にっこりと優しい微笑みを浮かべて挨拶をしてくれる李苑。お淑やかな彼女の声がいつもより更に静かなのは早朝だからだ。まだ辺りは暗いし、外は白い息が零れるほど冷え込んでいる。
「聖くん、シンくんが迎えに来てくれましたよ、聖くーん」
李苑が玄関から奥に向かって呼ぶと、リビングらしきドアからぬっと聖が現れた。
その瞬間、びりっと肌に電流が走った。彼の鋭い切れ長の瞳と目が合うと、心臓の奥が音を立てて凍りつくような錯覚に陥った。
無意識のうちに手を握り込み、冷や汗を流していると、李苑がにこやかに声をかけてきた。