麗しき星の花
「神楽。遊びに来るときは連絡をしろと言ってるだろう」

「オマエいなくても別にいいよ。てか、いると思ってねぇし。とりあえず李苑と雛か翼がいれば問題ねぇ」

「ウチにも都合があるんだよ」

「いなきゃいないで飛沫んとこに寄る」

「飛沫もいなかったら?」

「誰かんとこ行く」

「誰もいなかったら?」

「美奈に慰めてもらう」

「……美奈さんが大変だから、事前連絡はするように」

 聖は盛大な溜息をつきながらそう言った。

 それをポカンとした顔で見ていたシンに気づいて、聖は笑みを作る。

「邪魔が入ってごめんね。こいつは俺の友達。修行の邪魔はさせないから、始めようか」

「いいんですか?」

「構わないよ。君の方が先約だからね」

 聖はそう言うが、先程から痛いほどに視線を感じる。シンはチラリと金髪の男性──神楽を見た。

 聖並みに高い身長から、遠慮なしに見られている。不機嫌そうに眉が寄っているので、いいのかなぁ、と内心思っていると。

「オマエはすぐに変なのを呼び寄せるな。この人の皮被った妖精さんは誰だよ」

 不機嫌そうに見下ろされながらそう言われ、シンは深海色の目を見開いた。

「っえ……」

 言葉に詰まっていると、聖がまた溜息をついた。

「神楽」

 嗜めるように名を呼ぶ聖。

 神楽は更に眉を寄せた。

「なんだよ、見たまんま言っただけだろうがよ。何か悪いのか」

「悪い」

「どう悪いのか説明しろ。いい妖精に見えたから、ちゃんと『さん』を付けてやったのに。……それとも、悪い妖精なのか、オマエは」

 目つきの悪い金髪青年にジロリと睨まれるシン。

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