麗しき星の花
 皇族とは反対側に、地球から呼ばれた親族たちがいた。

 霸龍闘の両親、早川夫妻と妹の鬼龍。野菊の両親、薙沢夫妻と妹の秋桜、向日葵。そして、シンとリィの両親、グリフィノー夫妻とシルヴィだ。

 彼らは慈悲深い目で子どもたちを見守っていた。その目には涙も見える。

 それを見る子どもたちの胸にも、熱いものが込み上げる。

 生んでくれてありがとう。育ててくれてありがとう。そんな感謝の気持ちでいっぱいだ。


 シルヴィは、はち切れんばかりの笑顔で四人を見ていた。

 幼かった彼女も、今は15歳ほどの姿になっている。

 彼女の友達が成長したらきっとこんな姿になっていたのだろう、という想像で作られた大人の体は、楚々とした愛らしい少女だった。

 肩口までの碧色の髪と愛らしい八重歯はそのままだが、シルヴィも少し大人になった。今でも「兄ちゃん、姉ちゃん」と甘えてくることはあるけれど、無闇に魔力を奪うようなことは無い。成長したことで魔力を自己生成できるようになったのだ。

 彼女を魔力で育てていたシンとリィとしては、少し寂しい気もする。


 シルヴィは『世界平和維持機関ラルカンシェル』に所属し、フェイレイたちとともに旅をして、世界平和のために貢献している。

 現在は魔族との協定も結ばれ、形式上は平和となった。けれども不穏分子はいるもので、それらを見つけ、適切な処置をするのが現在の彼女の仕事だ。

 フェイレイたちとはもちろん、これから長い時を共に過ごすこととなる魔族のクードとも仲良くやっているようである。

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