麗しき星の花
「この子たちは大成します。だから寂しくはありますが、あまり心配はしていないのです。どちらかといえば、私が心配なのは貴方たちです」

 え、とフェイレイは目を見開く。

「貴方たち2人で旅に出るなんて……本当に軍もラルクも連れて行かない気ですか」

「当たり前です。軍隊連れて友達になろうなんて、間違ってる」

「……それはそうなのですが。貴方たちがまず目指している西の大陸の魔族は、特に凶暴だと聞いています。話を聞いてくれるかどうか……」

「西はもうラルクとぶつかりそうなんだ。今すぐ行かないといけない。でないと……あっちにも影響が出るだろ」

 チラリ、と視線をやる先には、鈍色に輝く起動エレベーター。

「惑星王の政策が裏目に出てしまう。だからまずは西だ」

「……ええ」

 ローズマリーは頷いて、そして溜息を零した。

「ええ、分かっています。……止められるのは貴方たちしかいない。貴方たちなら出来ると信じます。けれど、私の心配はそこではなく」

「え?」

「また迷子にならないか、ということです」

 う、とフェイレイとリディルの言葉が詰まった。

「貴方たちの戦闘力はこの星で一番です。どんな兵器にも勝るでしょう。ですが、基本的な部分がてんで駄目なのですもの」

「す、すみません」

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