過保護な彼にひとり占めされています。
普段はあまり気にしたことがなかったけれど、こうして見ると相葉って、背高いなぁ。
私が154センチとあまり高くないということもあるかもしれないけど、それでもきっと私より20センチ以上は高い。
窓の外を見る瞳は、少し色素が薄く綺麗な茶色をしていて、肌も20代の男性にしては綺麗だ。
鼻も通っていて、唇は薄く、少し面長のバランスのいい顔立ちをしていると思う。
こうして見ると、かっこいいんだなぁ……。
そういえば、入社当時もフロア内の皆から『かっこいい』と言われていたけれど、私を含め皆も見慣れてしまったのか、特に言葉に出すことも減ったから忘れていた。
骨っぽくて太めの首に、細く見えるけれど硬そうな胸板。それらに目を向けると、相葉もひとりの男の人だったことに気付いた。
そうまじまじと見ていると、不意にこちらを向いたその目とばちっと目があう。
「ん?なんだよ、こっち見て」
「えっ!あ……なんでもない」
男の人だと意識した上で目が合うとなんだか気恥ずかしいもので、心臓がドキッと音を立てると同時に私は相葉から目をそらすように俯いた。
って、今のなんか……変だったかな、私。
意識してるって、バレた?分かりやすすぎ?
「……お前今、俺のこと男として意識した?」
少しなにか考えてから発せられたその言葉に、心臓が今度はギクッと音を立てた。
や、やっぱり気づかれていた。
「なっ、そんな、わけ……ないじゃん」
裏返りそうな声を必死に抑えて、平常心を振る舞って言う。
こんな態度では、『なに意識してるんだよ、さてはお前男に免疫ないな〜?』とニヤニヤとからかう相葉の姿が待ち受けているのが簡単に想像つく。
けれどその瞬間、感じたのは近づく顔の気配。
それに顔を上げると、すぐ目の前には背後の壁に手をついたまま、私の顔を覗き込む相葉がいた。