過保護な彼にひとり占めされています。





「一花!こっちのガラポン担当頼んでいい?」

「あっ、はい!」



迎えた当日、12月25日のクリスマス。



日曜朝10時ということもあり沢山の人でにぎわう、渋谷駅の前にある大きなファッションビル。

その1階広場では、赤と緑の派手なイベントテントの下に4台の抽選器が用意され、近くの台にはテレビや家電などの大きなものからお菓子やジュースなど、沢山の景品が並べられていた。



今日のイベントは、このファッションビル主催のガラポン抽選会。

期間中にこのビルの中で買い物をすると、金額に応じて抽選券や抽選補助券がもらえるという毎年恒例のもので、抽選日である今日は毎年沢山の人が集まる大イベントだ。



「参加賞はポケットティッシュで、ポケットティッシュ10個でボックスティッシュ1箱と交換できるんですよね」

「そうそう。当たらない人は20回やっても全部ポケットティッシュだったりするからねぇ」



名波さんは私が着ているものと同じ、イベント用の黄色いハッピすらもおしゃれに着こなしながら、あはは、と笑う。


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