過保護な彼にひとり占めされています。



「……相葉と、過ごします」



小さなひと言が、私と彼女の間に響く。



「この前は、変にごまかしてごめんなさい。けど……私、相葉のことが好きなんです。まだ恋人になれてないけど、なりたいって思ってます」



その綺麗な形の目をしっかりと見て言う言葉。それは、隠すことのない自分の本当の気持ち。

好き。相葉のことが、好き。



「……もしかして、弘臣の言葉本気にしてる?」



ところが、彼女からつぶやかれたのは予想もしていなかったひと言。



「え……?」



『本気にしてる?』、?

その言葉の意味を問うように小さく声を漏らす私に、成宮さんは言葉を続けた。



「この前のバーベキューの時にふたりがキスしてるの見たから、もしかしたらとは思ってたけど……でもね、本気にしちゃダメだよ」



見せるのは、笑顔。だけど、その目は笑っていない。



「どんなに甘いこと言われても、付き合えるとか期待しないほうがいいよ。弘臣の嫌いなタイプって、“付き合ってもない相手とキスするような軽い女”だから」



相葉の、嫌いなタイプ?

付き合ってもない相手とキスするような、軽い女。



それは、私?



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