過保護な彼にひとり占めされています。



「村本?どうかしたか?」



怖いよ。

本音を知ること。答えを伝えて、『本気にした?』と笑われること。

信じてる、信じたい。

それなのに恐れは消えてくれない。



好き。だから伝えたい。

好き。だけど傷つきたくない。

好き。それならいっそ



「……告白の答え、言おうと思ってた」



突然切り出した話に、相葉の顔つきは真剣なものとなる。



「ごめんね。……やっぱり、相葉とは付き合えない」



小さくつぶやくとその目は驚くことなくまっすぐにこちらを見た。



「理由は?」

「前から言ってるじゃん。相葉のことは、友達としてしか見られないって」



誤魔化すように笑って目をそらす。けれど、相葉は私の頬に手を添え、ぐいっとそちらを向けさせる。



「本気なら、ちゃんと目見て言えよ」



真っ直ぐ目を見て伝えた気持ちに、目を見て返すことは当然なのかもしれない。

だけど、無理だよ。その目をしっかりと見たら、沢山の気持ちが込み上げる。



怖い、不安、信じがたい。

私なんて、私みたいな、そう思えば思うほど、からかわれているんじゃないかって一層分からなくなる。


< 120 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop