過保護な彼にひとり占めされています。



「そういえば彼女、クリスマスの日に抽選会に来てたな」

「え?」

「村本となんか話してたけど……あのふたり、仲良かったっけ」



村本と、翠が?

バーベキューの時も、特に親しげに話していた様子はなかったけどな……。



確かあの日、クリスマスの日は翠が新宿のイベント会場へと来て、『今夜食事行かない?』と誘われたんだった。



『悪い、約束あるんだ』

『えー?残念。あ、もしかしてデート?いいねぇ、うらやましー』



深刻に受け取る様子もなく、翠はそう笑って、去って行った。

その足で村本のもとへ?行ったところで村本になにか言ったのか?

いや、でも、まさか。



友達を疑いたくない気持ちと、疑ってしまう気持ち。合わさる思いに黙り込む俺に、理崎さんは心を読むように言う。



「疑いたくないのは分かるけど、一応聞くだけ聞いてみれば」

「……そう、ですよね」





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